トキメキ

バレンタイン・デーだと気が付いたのは、お昼。定食屋のオバちゃんが小さなチョコレートをくれました。チョコレート好きの僕としては、このイベントは大歓迎です。しかし、トキメキ度ゼロ。
こんな僕でも、昔は純粋でした。好きな女の子からチョコを貰ったのにも関わらず、恥ずかしくてお返しできなかったり、放課後、不必要に学校に残ったりしていました。なつかしい..　　
大学生のころは共同下宿だったので、友人にイタズラをしました。まず、台所にあった食器洗いのスポンジを１センチ角に切り、豆板醤（トウバンジャン）に漬け込みます。次に小麦粉を練って餃子の皮状に薄くのばして、そのスポンジをくるみボール状に。最後にココアパウダーをまぶして箱に詰めれば、立派な手作りトリュフ・チョコの完成です。さらに手紙も添えます。「いつも生協で見てます。気付いてくれてますか？」といった文章を僕が考え、字が綺麗な友人が清書する。手紙自体は一枚なのですが、わざわざ下に白紙を重ねるなどリアリティも追求。それを、N君の部屋のドアノブに掛けておきました。
僕たちは、いつ部屋から叫び声が聞こえるかと心待ちに。しかし、大学から帰ってきたN君は無反応。結局、その日は反応がありませんでした。
叫び声が上がったのは２日後。ちょっと本気で怒られました。N君曰く、もったいなくて、すぐには食べられなったそうです。もらった翌日、密かに学生課に赴き、学生名簿で差出人の名前（テキトーにつけた）を探すほどのトキメキっぷりだったそう。いまだにN君からは、この日のことを責められます。

手作りチョコレート
http://www.geocities.co.jp/Bookend/7369/valentine/valentine2003.html