双子姉妹の歌

bergk2005-05-15

前回、コープ双子姉妹について書いたからには、YAMA_LOGとしては名曲「双子姉妹の歌(Chanson Des Jumelles)」に触れないわけにはいきません。「双子姉妹の歌」は、フランスのミュージカル映画ロシュフォールの恋人たち(Les demoiselles de Rochefort)』のなかの一曲。作曲はミシェル・ルグラン大先生。この手のジャンルが好きな人々にとっては定番中の定番です。映画の内容は、南仏の港町で男女が恋に浮かれてピョンピョン跳ねているだけなのですが、カラフルな映像と音楽が見事に融合し、なんとも楽しい気分にさせてくれる作品です。
ルグラン自身、この曲がお気に入りらしく、彼のコンサートに行ったときには、ゲストの女性歌手とともに、身体を仰け反らせて熱唱していました。そのノリノリっぷりは、エスプリなどとは程遠く、気のいいフランス親父のノド自慢。フランス音楽界のドンの真の姿を見たようで、嬉しくもあり悲しくもあり。ちなみにオリジナルは、ルグランと同じ顔のお姉ちゃん、クリスティアンヌ・ルグランが歌っています。
この曲は、映画自体より音楽が先行して評価された経緯があります。この手の音楽を流すDJの間ではキラーチューンの王様。あまりの殺傷能力のため、複数人がDJをやる場合、誰がこの「双子姉妹の歌」をかけるかで、その内部の力関係がわかります。また、アナログは5万円以上に高騰したこともあり「ロシュフォールのアナログ持ってるよ」という発言は、尊敬と嫉妬の対象に。しかも、この曲はサビから始まるので、つなぐのが難しい。つなぎ方が下手だと、嫉妬とあいまって、そのDJの評価を急落させるという諸刃の剣でした。
そんな魔力をもった「双子姉妹の歌」。他の曲も素晴らしい。全ての音楽好きに自信を持ってオススメします。気が付けば、デートの待ち合わせ場所へ向かう道、いんちきフランス語を口ずさむあなたがいるはずです。

おまけ:同じサントラの一曲目「キャラバンの到着」は、三菱自動車のCMや、映画『スウィングガールズ』でも使われていました。今は「双子姉妹の歌」より有名かも? 僕は結婚式で入場曲を頼まれたら、迷わずこれをオススメします。

「双子姉妹の歌」:http://greatesthits-rec.com/scb/shop/shop.cgi?id=7&kid=1
(試聴可能?):http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/B00002DDC7/171-8046560-1250629
ロシュフォールの恋人たち ― オリジナル・サウンドトラック (LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT)